ガスコーニュ便り

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パトリス・ルコント監督『リディキュール』

『髪結いの亭主』(原題 “Le Mari de la coiffeuse”)は好きな(というか、心にずっしりと残っている)映画の一つですが、同じ監督の『リディキュール』(原題 “Ridicule”)も大好きで、何度となく観ています。1996年のフランス映画。
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1789年に始まるフランス革命前夜、ヴェルサイユを舞台にした物語。
ドンブ(Dombes / ブルゴーニュの小地方。沼地の多い地域)地方の領主グレゴワール・ポンスリュドン=ド=マラヴォワ(シャルル・ベルラン)は、不潔で人々に疫病をもたらす沼沢地に頭を悩ませた末に干拓の計画を立て、その陳情のためルイ16世(ウルバン・キャンスリエ)の暮らすヴェルサイユの宮廷へと赴く。その道中追い剥ぎにあい倒れていたところを、ベルガルド伯爵(ジャン・ロシュフォール)に救われる。
宮廷の生活は機知に富んだ巧みな会話術や特別な振る舞いが求められる世界。宮廷に出入りする貴族たちは自分の名を王に知らしめるため、お互いを貶めることに余念がない。一度でも失敗をすればそこに居ることのできなくなる、熾烈で残酷な戦いの場であることをよく知るベルガルド伯爵は、故郷へ帰るようにとグレゴワールを諭す。しかしある日、宮廷のサロンで有力者ブライヤック伯爵夫人(ファニー・アルダン)の愛人ヴィルクール司教(ベルナール・ジロド)と互角にやり合ったグレゴワールの頭のよさに気づき、彼の後見人を務めることにする。果たしてグレゴワールは宮廷に出入りするようになるが・・・


ridicule とは「嘲笑すべき」「こっけいな」といった意味の形容詞であり、「もの笑いの種」「滑稽な人」といった男性名詞でもあります。宮廷で振る舞いを間違えること、相手にとんちでやり負かされるたりすることで、もの笑いの種になることを皆、なによりも恐れているのです。
けれども視点を変えるといったいなにが ridicule なのか・・・

まずなんと言っても言葉遣いが綺麗です。ゆっくりと綺麗なフランス語で底意地の悪いことを、直截に意地の悪い言葉で言うのではなく、とんちの効いた言葉で言うのを聴いているのはすごく面白いものです。そして当時の堕落した貴族社会における権力の運用の仕方がきちんと描かれているのも興味深くて、何度観ても面白いなあと思います。
主演のシャルル・ベルランもいいけれど、なんと言ってもベルナール・ジロドが凄い。滑稽なほどに悪意に満ちていて気取りやのヴィルクール司教を、上手に演じています。若いうちにこの世を去ってしまったことが残念。
当時のフランスではシャルル=ミシェル・レペという教育者が世界初のろうあ学校を設立し手話教育を行っていたのですが、そのあたりのことが少し出てくるのも興味深いです。
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by paloise | 2013-03-25 18:19 | 私の映画館

ピレネー山脈の見えるフランスの街から三方を山に囲まれた古都に引っ越しました。
by haruka
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