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エリザベス・ストラウト『オリーヴ・キタリッジの生活』

昨年の秋頃に一時帰国した際、フランスに戻ってから読むための本を書店で物色していたときに何気なく手に取り購入したら、思いの外好みだった、という一冊です。
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オリーヴ・キタリッジというのは女性の名前。
ぶっきらぼうで率直な物言いが読む者(そしてもちろん作中に登場する周囲の人々の)の心をどきりとさせる、無骨でいてかつ繊細な女の人。
読み進めるほどにオリーヴの人柄に魅了されてゆきます。

短編の連作集で、そのすべてに彼女が登場します。短編を重ねるごとに月日は流れ、彼女も彼女の周囲の人々も、年を重ね人生の様々な場面を迎えていきます。
アメリカの、架空の小さな町での人々と、日常的な出来事とを描いたものなのですが、このように、その土地の風土や人々の心情の普遍性を表現した小説がとても好きです。

ジュンパ・ラヒリの『停電の夜に』(これも小川高義による翻訳)や、野呂邦暢などもそう。
心象風景を綴った作家といえば佐藤春夫ですが、大学生の頃に『田園の憂鬱』を読んだ際には「これが新しい試みだったんだなあ」という感想しか抱きませんでした・・・。

エリザベス・ストラウト、かなり好きになりました。『オリーヴ・キタリッジ』の前に発表された “Amy and Isabelle” と “Abide with Me” を探して原語で読んでみようと思います。


エリザベス・ストラウト『オリーヴ・キタリッジの生活』小川高義訳/早川書房(2012)
原題 “Olive Kitteridge” Elizabeth Strout(2008)
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by paloise | 2013-02-28 20:26 | 本棚

ピレネー山脈の見えるフランスの街から三方を山に囲まれた古都に引っ越しました。
by haruka
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