ガスコーニュ便り

石井裕也監督『舟を編む』

帰国早々に観に行ってきた映画は、『舟を編む』という美しい題名の日本映画(2013年)です。三浦しをんによる同名の小説を映画化したもの。
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玄武書房辞書編集部に勤めるベテラン編集者の荒木は近々定年を迎える。監修者である松本の強い希望により、後継者となる社員を見つけることになった荒木は、営業部内で変人扱いを受ける馬締光也に目をつける。辞書編纂に人生を捧げる松本と荒木、「チャラ男」ではあるが温かい心を持ち、新語にめっぽう強い西岡、クールで仕事の早い契約社員の佐々木、下宿先の大家であるタケとその美しい孫娘の香具矢に囲まれ、誰かの思いを知りたい、誰かに思いを伝えたいともがく馬締の、そして皆の人生が、新辞書『大渡海』とともに編まれてゆく。

周りの言語学者の諸先輩方が小説をこぞって褒めていたので、映画ともに気になっていたのですが、折よく映画館でかかっていたので映画を観、小説も読みました。三浦しをんという作家のことは、軽い(=安っぽい)作風の人、という認識でしかなかったので読まず嫌いだったのですが012.gif、わりと好きになってしまいました。実際に読んでみてやはり軽い作風だとは感じますが、安っぽくはなく、心に語りかけてくるものがあります。『舟を編む』では辞書作りの現場という、身近ではないけれども非常に興味深い場所が取り上げられていて、とにかく色々な部分が面白い映画(小説)です。心の軽くなる、温かく優しい物語でとても気に入ったので、DVDを買って夫に送りました。
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# by paloise | 2014-02-23 12:31 | 私の映画館

さよならは 別れの言葉じゃなくて

再び逢うまでの遠い約束、なんて012.gif
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1月中、幾度さよならを告げたことでしょう。フランスを引き上げることになったのは去年の夏頃。まだまだ先のこと、と思っているうち、あっという間に帰国の日がやってきました。9月から日本で働く夫に先駆け、日本での生活の基盤を築くための帰国です。しばらくのあいだ、夫と離れるのがなによりも辛いけれど、3年足らずのフランス生活で得た親しい人たちや日々の暮らしを後に残してゆくというのもやはり、寂しいものでした。けれども夫の母国であるフランスには今後も足を運ぶわけなので、いつかまた、という気持ちで親しくしてきた人たちにさよならを告げました。

『ガスコーニュ便り』ではなくなる以上、今後このブログタイトルは改めるつもりでいますが、どのよう内容にするのかは決まっていません。仕事を始めたこともあり、しばらくのあいだ小休止が続くかもしれませんが、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。
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# by paloise | 2014-02-16 19:13 | はじめに

冬の風物詩

風情のあるタイトルにしてみましたが、ええ、私のことですからね、いつもどおり食べ物のことです012.gif
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これこれ、これを食べないと冬は越せません。な〜んてね。毎年9月から翌年の5月までのあいだだけ販売される、日本でも人気の高い Mont-d’or(モン=ドール)。フランス中東部、スイスとの国境をなす Jura(ジュラ山脈)のあたりで作られるウォッシュタイプの牛乳チーズです(AOP)。
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牛乳の優しい味わいがおいしいチーズですが、木箱の内側に巻いてある épicéa(エピセア / トウヒ)の樹皮がほんのりとそのよい香りをチーズに移しており、それがまたとてもよいのです♡多くの人が楽しみにしている食べ方は、表皮をはがして白ワインをそそぎ、ニンニクを入れて、木箱をアルミ箔でくるんでオーブンで焼くという、即席フォンデュ。これはと〜っても美味しい016.gifのですが、オーブンのない我が家では無理な話なので、普通にパンにのせて食べています。とはいっても義母宅でクリスマス休暇に、義弟の妻と女三人、即席フォンデュを楽しんできたのですが(義母の彼氏、夫の弟、夫の男三人はチーズを食べないのです)♪
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サイズは小・中・大とあり、小・中は木箱に入ったものをまるごと買うのですが、大はこんな風に切り売り。中身はとろとろなので、お店ではプラスチックなどの板を切り口にあてがっています。トップ写真は中サイズ。実はこのチーズ、伝統的にフランスとスイスにまたがって作られており、そのふたつは微妙に異なります。スイスのそれは Vacherin Mont-d’or(ヴァシュラン モン=ドール)という名前で AOP 認定を受けており、フランスの生乳に対し、こちらは殺菌乳で作られています。

せっかく七草粥を作っても、毎晩こんなの食べてるから胃が休まってないかも008.gif
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# by paloise | 2014-01-13 20:19 | 食べもの

人日の節句の七草粥

幼い頃は好きになれなかった七草粥ですが、大人になって「胃を休めたい」という感覚を知ってからは、なんとよい習慣でしょう、と思うようになりました。
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7日の朝に粥を炊いて食べたらホッと胃が楽になったのに味をしめて、その後毎朝、粥を食べています。といっても七草どころではなく一草、しかもルッコラなのですが。ともかく、こういうものを食べると胃が落ち着きますね。夜ごはんはプール・オ・ポなど。しばらくはこんな感じの胃に優しい食事が続きそうです。チーズは普通に食べているのですが012.gif

ところで、プール・オ・ポというキーワードで検索をしてくださる方が多いみたいなので、私のプール・オ・ポの作り方(とても簡単)を載せておきますね。

プール・オ・ポのレシピ
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# by paloise | 2014-01-10 20:34 | 歳時記

公現祭の冠

新年おめでとうございます。年末年始、健やかにお過ごしになったでしょうか。
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4日に我が家で開いた大きな宴を最後にようやく落ち着き、日本から届いた好物を食べながらのんびりとしています。今年も皆さまのもとにたくさんの福が訪れますことをお祈りしています。
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昨日1月5日はキリスト教の Épiphanie(エピファニ / 公現祭)でした*。東方の三博士がキリスト礼拝に来たことを記念する日だそうで、フランスではこの日に galette des Rois(ガレット デ ロワ)、あるいはcouronne des Rois(クーロンヌ デ ロワ)という焼き菓子を食べます。
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お菓子の中にはこのように、小さな陶器の人形が仕込まれており、その人形の入った部分に当たった人が王または王妃として主役になるという遊びをするのです。
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えっと・・・これは去年食べたクーロンヌの分の陶器の人形です。いくつ食べたんだろう012.gif

私の住む地域ではブリオッシュ生地のクーロンヌが一般的。couronne とは冠のことですが、その名のとおり、冠の形をしたブリオッシュです。街のおいしいチョコレート屋さんのそれが気に入っているので毎年ここで求めます。1月の終わりまで求めることができるので、公現祭の日以外にもせっせと食べるのが例年の我が家。公現祭前にもフライングで食べました。だから我が家には陶器の人形がわんさか037.gifガレットはあまり好みではないのですが、ブリオッシュのクーロンヌはかなり好き016.gif飾り付けられたオレンジの皮の砂糖漬けもすごく美味しいのです。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

* 公現祭は国によって祝う日が少し異なるのですが、フランスでは1月の第一日曜日です。
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# by paloise | 2014-01-06 18:19 | 歳時記

ピレネー山脈の見えるフランスの街から三方を山に囲まれた古都に引っ越しました。
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