ガスコーニュ便り

テレビシリーズ “Ripper Street”

12歳の冬に母が買い与えてくれた偕成社の完訳版シャーロック・ホームズ全集。その物語にどれほど強く深く惹きつけられたかわかりません。物語だけでなく、19世紀頃のイギリス社会の雰囲気や人々の暮らし、とりわけ社会を覆い尽くしていたその暗さにもずいぶんと惹きつけられたものです。簡単に言えば、恐ろしかった。そこに描かれている社会のあり方を怖いと思いました。いまでもイギリスという国では階級差、貧富の差が非常に強く、誤解を恐れずにいえば、その差を仕方なしとする、もっといえば、その差を是とする空気があるように思います。非常に興味深い点の多い国ですが、この面から見ると、他国に劣る国であると常々感じるのです。
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シャーロック・ホームズが活躍したのと同時代のホワイトチャペル、あの切り裂きジャックによる連続殺人事件から間もない頃が舞台のテレビシリーズ“Ripper Street”をみています。切り裂きジャックの事件を担当していたエドムンド・リード警部補(マシュー・マクファディン)と、リード警部補の部下ベネット・ドレイク巡査部長(ジェローム・フリン)、そしてアメリカ人医師ホーマー・ジャクソン大尉(アダム・ローゼンバーグ)が中心となって、ホワイトチャペルで発生する多種多様な事件を捜査する、というのが物語の軸。マッチ製造工場で労働する少女のストライキやエレファントマンと呼ばれたジョゼフ・メリック、秘密結社『黄金の夜明け団』等、物語中で描かれる内容には多くの歴史的事実が盛り込まれており、当時の雰囲気がよく伝わってきます。また、中心人物3人の友情やそれぞれの人生の苦しみあるいは幸福、繊細な感情の移ろいなども大変丁寧に描かれており、しばしば強い感動を覚えます。
 当時のイギリスがいかに暗かったか(イギリスが明るかったことは一度もないかもしれませんが!)が強烈に見えてくるこのシリーズに魅了されながら、このような社会に生きたマルクスの思想を顧みない、あるいは馬鹿にする人々の多くはきっと、イギリスの社会背景を一顧だにしたことのない人々なのだろうな、と思うのです。

ところで私は長年のあいだ、イギリス人はなぜ山高帽のような馬鹿げた帽子を作ったのだろうと思っていたのですが、似合う人が存在するのですね。リード警部補役のマシュー・マクファディンはその声もすごく素敵ですが、なにより山高帽がよく似合う!驚くほど素敵です016.gif

大変ご無沙汰しております。
いまでも遊びに来てくださっている方がいらしたなら、もしかしたらご心配をおかけしているかも?申し訳ありません008.gif私はとても元気にしています!
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by paloise | 2015-10-12 16:19 | 私の映画館

ピレネー山脈の見えるフランスの街から三方を山に囲まれた古都に引っ越しました。
by haruka
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